健康アップデート
公開日:2018.03.20

1位から14位に落ちた口コミサイト管理人が「それでも健康アップデートは正しい」と考える理由

こんにちは。
ダイエット商品の口コミサイト「ダイエットカフェ」の管理人です。

前回の記事でも書きましたが、以下の図のようにダイエットカフェは健康アップデートで検索順位を大きく下げました。

がっつり順位を下げられた直後は、脊髄反射で「真面目に運営してるのに、ふざけんな!」と叫びたくなったり、「健康アップデート、元に戻してくれませんかねぇ・・?」と懇願したくなったりしていました。

しかし、健康アップデート実施から3ヶ月が経過。 叫んでも懇願しても意味がないことを悟り、「健康アップデートから復活するためには、そもそも健康アップデートとは何だったのかを理解する必要がある」という考えに至りました。

そこで、この記事では健康アップデートの「影響度」「成り立ち」「是非」「今後」等について僕なりに書いてみました。

「健康アップデートは正しいの?」
「なぜ健康アップデートは実施されたの?」
「僕たちはどうすりゃいいの?」

といった疑問がある方に読んでもらえればと思います。

1.健康アップデートで何が変わった?

Googleの公式発表では「健康アップデートは信頼性を重視する」ということでした。この章では「ダイエットカフェ」と「アットコスメ」を比較することで「実際にどの程度信頼性の重要性が高まったのか」を確認してみました。

「商品A 口コミ」の順位の変遷

信頼性重視の度合いに関して、理解しやすいクエリを探していたところ、ダイエットカフェに掲載されている某商品(これ以降、商品Aとします)が目につきました。この章では「商品A 口コミ」という検索クエリをピックアップして色々と説明していきますね。

以下のグラフは、ダイエットカフェの「商品A 口コミ」の順位です(GRCというソフトを使ってます)。 過去1年だいたい1位でしたが、健康アップデートが発動した12月6日を境にガツンと下げました(3月に入ってから微妙に戻ってますが)。

「商品A 口コミ」で検索した結果

以下は、この記事を書いてる時点(2018年3月17日)の「商品A 口コミ」の検索結果です。

1位:アフィリエイトサイト
2位:アフィリエイトサイト
3位:アットコスメ
4位:アットコスメ
5位:アットコスメ
6位:アットコスメ
7位:アットコスメ
8位:アフィリエイトサイト
9位:アフィリエイトサイト
10位:アフィリエイトサイト





14位:ダイエットカフェ

うん、悲しい。さて、1ページ目にあるのは「アフィリエイトサイト」「アットコスメ」となっています。

「商品A 口コミ」でアットコスメと比較

アフィリエイトサイトに負けてることに関しても言及したいところなのですが、比較する軸を揃えるため、同じ口コミサイトである「アットコスメ」と「ダイエットカフェ」を比較してみます。

健康アップデート以前はダイエットカフェが1位だったため、ダイエットカフェの方がアットコスメよりも検索順位は上でした。 しかし今では、アットコスメは3位〜7位を占めていて、ダイエットカフェは14位で、負けています。

健康アップデートの前後で何故こんなにも順位が逆転してしまったのか? 商品Aに関して両者の違いを「口コミの量」「口コミの質」「口コミの信頼性」という観点で比較して、確かめてみました。

口コミの量

まず口コミの量ですが、上記のようにアットコスメの27件に対し、ダイエットカフェは69倍の1867件です。 「量」という観点ではダイエットカフェの方が圧倒的に上です。

口コミの質

「質」という単語の定義は難しいのですが、「そのコンテンツが信頼できる」といった部分を考慮せず、「ダイエット商品の口コミ情報として役に立ちそうか」という観点から判断してみます。

そういった意味では、ダイエットカフェもアットコスメも第三者の口コミを投稿してもらってるだけなので大差ありません。そこで、「質」は互角としておきます。

口コミの信頼性

正直、口コミの信頼性で負けてるつもりはないのですが、ここはドライに見ていきましょう。 2章で説明しますが、Googleは「コンテンツの信頼性」を「運営者の信頼性」と「口コミ投稿者の信頼性」から判断していると僕は考えています。

そうだとすれば、勝敗は明らかですね。

■運営者の信頼性
ダイエットカフェ:弱小企業
アットコスメ:上場企業
アットコスメの圧勝

■口コミ投稿者の信頼性
ダイエットカフェ:非会員制
アットコスメ:会員制
アットコスメの勝ち

上記から、運営者・投稿者の信頼性は、アットコスメの方が圧倒的に上です。

まとめ:「信頼性」の圧倒的重視へ

以上、口コミの「量」「質」「信頼性」を比較してきましたが、まとめるとこんな感じでしょうか。

両者の商品Aの口コミに関する比較

両サイトの商品Aの口コミページに関しては上記のような特徴があり、健康アップデート以前は量に勝るダイエットカフェが上位表示、健康アップデート以降は信頼性に勝るアットコスメが上位表示になったわけです。

すなわち、これまで信頼性の重要性はそれほど高くなかったのに、健康アップデート後は圧倒的に「信頼性」重視に変わったと言えます(量が69倍あったとしても、関係ありません・・)。

2.健康アップデートの実施理由

前章では「健康アップデートで何が変わったのか」を改めて検証し、「信頼性」が圧倒的に重視されるようになったことがわかりました。

では、そもそもなぜ信頼性を重視するアップデートが実施されたのでしょうか?

「コンテンツの信頼性」の重要性

まずはコンテンツの信頼性に関して考えてみます。 Googleは「信頼性」を重視するようになったわけですが、コンテンツを目にするユーザーにとっては「質」「量」「信頼性」のどれが重要でしょうか?






「信頼性」が断トツで重要です。

というのも、ユーザーにとっては「信頼性」があるか無いかで、そのコンテンツの善し悪しが決まってしまうといっても過言ではないからです。

まずは以下の文章を読んでみてください。

⇒文章としては問題ありません。しかし、SEOに詳しい方ならご存知の通り、明らかに間違っている(=信頼性が低い)内容です。「被リンク購入」はスパム行為となりますので、やめましょう。

次に、以下の文章を読んでみてください。

⇒読みにくいし、文字数も少ない文章ですが、内容としては「真実(=信頼性が高い)」です。

両方の文章を比較した場合、ユーザーにとってどちらが有益かは明らかですね。

量と質は高いが、信頼性が低いコンテンツはユーザーにとって、デメリットしかありません。一方で、量と質は低いが、信頼性が高いコンテンツはユーザーにとって、少しはメリットがあります。

これまでGoogleは「質」「量」を重視していたので、コンテンツの信頼性がマイナスである詐欺サイトを上位表示してしまうこともありました(今もありますが・・)。 しかし、ユーザーの利便性を考慮し、健康アップデート以降は「信頼性」の重要度を高めるように舵を切ったのです。

WELQ問題で「コンテンツの信頼性の重要性」がより強調された

WELQは医療・健康分野を主に扱っていました。 この分野での信頼性の低さは「命の危険」や「健康被害」といった大問題になる可能性があります。その結果、大炎上に繋がり、健康アップデートの引き金になりました。

「運営者・投稿者の信頼性」の重要性

Googleはコンテンツから信頼性を判断できない

先ほど、ユーザーにとってコンテンツの信頼性は重要だと書きました。 しかし、残念ながら今のGoogleの技術力ではコンテンツそのものから信頼性を判断することはできません

例えば「このサプリを飲んだ5秒後に30キロ痩せました」という文章があったとします。 この文章は、人間が見たら「さすがに嘘だろ」と判断できる情報です。 しかし、Googleはこの文章自体から嘘かどうか判断することはできないのです。

代わりに「運営者・投稿者の信頼性」で判断する

「コンテンツ」を作成するのは「運営者や投稿者」ですので、基本的には「運営者や投稿者の信頼性」はそのまま「コンテンツの信頼性」に繋がります。 そこでGoogleは「コンテンツそのもの」ではなく、「運営者や投稿者の信頼性」から間接的にコンテンツの信頼性を判断しています。

「運営者や投稿者」であれば、

・信頼のおける情報(国家資格の有無、会社概要の充実度、IR情報の中身等)
・信頼のおける組織(大手メディア、大手研究機関、大企業等)からの被リンク
・Web上のネガポジ分析

といった情報から信頼性を判断ができそうですね(このあたり、SEO専門家の方に何で判断しているのか検証してもらいたいです・・)。

まとめ:正当性のある実施理由と実施方法

ここまで「コンテンツの信頼性の重要性」と、「運営者・投稿者の信頼性の重要性」を見てきました。

僕は「コンテンツの信頼性はユーザーにとって重要(特に医療・健康分野では)」ということが、そのまま健康アップデートの実施理由の正当性に繋がると考えています。

また「コンテンツの信頼性を判断するために、コンテンツを作成する運営者・投稿者の信頼性を重視する」ことは、実施方法として、仕方ないですね(技術力の限界ですし)。

すなわち、Googleはユーザーに対して現時点でできる最善の方法を実施していると言えます。ですので、「健康アップデートの実施自体は正しい」というのが僕の考えになります。

3.精度の低い健康アップデート

健康アップデートの実施自体は正しい。しかし、各方面から指摘されている通り、健康アップデートの精度はまだまだ低いと感じます。

検索ユーザーの不満

以下の文章は12月6日に発表されたGoogleの「医療や健康に関連する検索結果の改善について」というブログ記事のコメント欄から抜粋しました。

「他の方も散々言われておりますが、アップデート後の検索結果は見るに耐えません。信憑性の低い医療情報を駆逐すると言う意味では良い結果だったのかもしれませんが、それ以前に自分の欲しい情報が全く出てこなくなりました。グーグル検索には絶対的な信頼を寄せいていたのでだいぶ困っております。 例えば「筋トレ」で検索すると一番上に星占いサイトが出てくるなどバグとも言えるような状態だと思います。少しずつでも改善していただきたく思います。」

強調・下線:僕

上記抜粋は 全体のコメントの一部ですが、ザッと見た限り、「健康アップデートに対して、不満の投稿が8割で、応援の投稿は2割」といった割合でした。 確かに「あえて声を上げる人」というのは不満を持ってる場合が多いのですが、「8:2」はさすがに不満が多過ぎです。

注目すべきは引用したコメントのように「検索ユーザー目線で不満を書いている投稿」が結構あったことです。 ユーザー目線での不満が多いということは、まだまだ精度を上げる必要があるということだと思います。

信頼性の低いサイトが上位を占めるケースも

再掲:「商品A 口コミ」の検索結果

第1章で「商品A 口コミ」で検索した際、以下のようになると書きました。

1位:アフィリエイトサイト
2位:アフィリエイトサイト
3位:アットコスメ
4位:アットコスメ
5位:アットコスメ
6位:アットコスメ
7位:アットコスメ
8位:アフィリエイトサイト
9位:アフィリエイトサイト
10位:アフィリエイトサイト

アフィリエイトサイト・・

1位、2位のアフィリエイトサイトを見たところ、

・匿名運営
・商品を売るためだけに作られた文章
・他サイトを引用してるが引用の要件を無視

上記のように、明らかにアットコスメと比べて信頼性が低く、検索ユーザーにとっても害のあるサイトでした。 現状、検索クエリによってはこういったサイトが上位を占めているケースもあり、やはり精度が低いと思います。

それでも健康アップデートを実施する理由

前述のように「信頼性が高そうなのに順位が低いサイト」「信頼性が低そうなのに順位が高いサイト」という例はいくつも存在しています。 このような精度の低い状態で、なぜGoogleは健康アップデートに踏み切ってしまったのでしょうか?

踏み切るしか無かった理由

本来であれば「悪徳サイトを駆逐するため、健康アップデートという大鉈をぶん回して一部の良質なサイトも犠牲にする」なんてことはGoogleだってやりたくなかったと思います。 しかしWELQ問題以降、世間では「信頼性を高める」ことの重要性が強調され(特に医療・健康分野で)、世論に応えるという意味で「なるべく早く実施する」必要があったのだと思います。

悪徳サイトだけを下げられない理由

最善なのは「悪徳業者だけを排除し、良質なサイトの順位は下げない」ことです。 しかし、悪徳業者だけを完全に排除することは非常に難しいです。悪徳業者達はあらゆる手段で抜け道を探し、アルゴリズムの隙を付いてきます。

ポイントは次の2つです。

・悪徳業者は数多くいて、各社様々な手法でアルゴリズムの隙を付く。
・Googleが悪徳業者対策をすると、各社それを学習し、より巧妙化する。

ダイエットカフェを運営していて思いますが、悪徳業者達(ダイエットカフェの場合、主にステマ業者)はすごく勤勉で、こちらの隙を付くためにあらゆる努力をします(悪い方向に)。こういった悪徳業者達をピンポイントで駆逐するのは不可能に近いです。

そうなると、「影響範囲の大きいやり方で、一部良質なサイトに被害が及んでも、大部分の悪徳業者のサイトを葬ることができる方法」を取るしかないのだと思います。

いずれ精度は上がっていく

健康アップデートの精度は今後上がっていくと思います。

ダイエットカフェも、他のサービスだって同じだと思いますが、新機能ってやつはリリース当初の精度があまりよくありません。 それでも、本番環境にリリースしなくてはならない場合がほとんどです。 というのも、本番環境で実際に新機能を試すことでしか本物のデータを取得できないからです。

そして、そのデータを元にどんどん改善していくわけです。 この場合、改善中はどうしても不安定になりますし、精度もあまり高くありません。

しかし、試行錯誤を経ていずれ精度は上がっていくはずです(途中でGoogleが「あ、これ無理やわ」と投げ出さない限り)。 実際、最近も(というか、ずっと?)アルゴリズムの変動は起こっていますが、当然ですよね(精度を上げるために試行錯誤を繰り返してるわけですから)。

Google技術者の皆様には、精度を上げるべく引き続き頑張ってほしいところです。 今の検索結果は全体最適としては良いのかもしれませんが、部分不最適の渦中にいるサイトにとっては厳しいです。。

4.健康アップデートの是非と今後

健康アップデートの是非

長々と書いてきましたが、ここまでの内容をまとめて、僕の意見としますね。

健康アップデートが実施された理由

ユーザーにとってはコンテンツの信頼性が全てであり、特にWELQ問題では医療健康分野での悪影響の凄さが際立った。 こういった理由により、Googleは医療健康分野でいち早く信頼性の重要度を高める必要があり、健康アップデートに踏み切りました。

健康アップデートの実施方法

Googleは質、量と比較して信頼性の重要度を極端に高めました。その際、コンテンツそのものの評価は不可能なので、代わりに運営者・投稿者の信頼性を重視するという方法を取りました。

問題点

健康アップデートは現時点での精度が低く、信頼性が低いサイトが検索上位で、信頼性が高いサイトが検索下位ということががあります。

問題点への反論

ユーザーにとっての全体最適のため、個別には最適でない状態も許容せざるを得ない。 健康アップデートのような新機能は試行錯誤して精度を上げる必要があり、長期的なメリットのために、短期的な不具合が存在するのは仕方ない。 今後、改善されていくはず。

まとめ

健康アップデートが実施された理由や実施方法について、僕は正しいと考えています。 もちろん検索クエリによっては精度が低いという問題点はありますが、それでも実施しないよりはユーザー全体の利便性は上がりますし、今後精度が上がっていくのを待つだけです。

というわけで、「健康アップデートは正しいので、Googleは引き続き精度を上げるため頑張ってください!(なるはやで)」というのが僕の意見となります。

ただし、これはあくまでも現時点での僕の意見であり、完璧だとは思っていません。 疑問点や「俺はこう思う」みたいな別のご意見がありましたら教えてください。 それにより僕の考えもブラッシュアップされると思います。

健康アップデートの今後の動き

恐らくGoogleが「すんません、信頼性を重視したアップデートは間違いでした。元に戻します」と言うことはないと予想してます。

プラットフォーム運営者としての僕がサービス運営において最も重視していることは「自社サービスのクオリティを上げること」です。 ダイエットカフェであれば「いかに有益な口コミを増やしていくか」ですし、Googleであれば「いかにユーザーにとって理想的な検索体験をさせるか」です。

その観点から健康アップデートの今後を考えると「健康アップデートのアルゴリズムはまだ100点ではないが、方向性としては間違ってない。方向性が間違ってないなら、精度を上げるのみ」です。

5.サイト運営者ができること

「健康アップデートは継続される」「健康アップデートの精度が上がるのはまだ先の話」というのが現実であれば、サイト運営者はどう行動するのが良さそうでしょうか? 僕は今の状況を受け入れ、Googleが考える「信頼性」を理解し、それに対応するしかないと思っています。

というわけで引き続き「Googleが考える信頼性とは〜」等を書いていきたいところですが、既に結構長い記事になってますので、今回はここまでです。

次回以降「Googleが考える信頼性と、健康アップデートから復活する方法」的なタイトルで記事を書いていこうと思います(僕自身、まだ復活できてませんが・・)。

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プロフィール

株式会社T.M.Community代表取締役の福田尚広です。

北海道大学農学部を卒業後、システム会社でプログラマーを経て独立。 色々とコミュニティサービスを企画・制作・運営しています。 趣味は格闘技ですが、ビビリなので接近戦より遠い間合いからの打ち合いを望みます。 IT・ビジネス系の話題が好きなので、そういった話が出来る方は気軽にご連絡ください。 飲みましょう。

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